ピエール・ボナールの作品と言葉

ボナール展覧会図録表紙

 

1968年 展覧会図録より

 

こんにちは。 今日は作品展覧会の図録から、素敵な作品と その作者の言葉を ご紹介致したいと思います。

当教室には、細やかながら 美術関係の書庫がございます。 簡単に申しますと、本棚です‥(^_^)ゞ
昔のものでは、戦前のものからあり、主に画集やその時代に開催された展覧会の図録、美術雑誌、評論、資料になります。
その他では、写真集など、作品制作に使用できる資料もございます。
未ださすがに千冊までは届いていないかと思うのですが、集まりに集まって、かなりの数になって参りました。
素敵な本に出会ったり、展覧会に赴く度に買い求めてしまいますので、只今も日々増えております(^_^;

さて、今回はその書庫から、一冊をご紹介させて頂きます。
作者は、フランスの画家、ピエール・ボナール(1867年-1947年)です。

 

こちらは、1968年に開催された展覧会の図録ですので‥‥、今から47年前のものになります! 見た目も かなりアンティーク化しております(^^;)

現代の図録とは違い、やはり昔のものですので、掲載されている作品写真は随分モノクロが多めになっています。
しかし、この図録にはとても素敵なところがございまして、巻末に作者の言葉が抜粋されているのですが、
短いその言葉が 詩の様にちりばめられており、レイアウトも素敵で、最近の図録には見られない 小粋でお洒落な造りになっています。

 

 

ボナール展覧会図録 中身

 

ピエール・ボナールの作品と交えまして、その言葉の一部も ご紹介させて頂きます。
あなたの心にも 何か 響く言葉が見つかりましたら 嬉しく思います。

 

塔のある家1888年 ボナール

塔のある家1888年



モチーフをたった一回みるか さもなければ万回みるか



欠点は しばしば 作品に生命を与えるものである




思いがけない印象の重要性



 

午睡1900年ボナール

午睡1900年



私は 独りアトリエで描き アトリエで一切のことをやる

要するに 画家のものであり すぐれたものである主たる理念と

第一印象を喚起した対象やモチーフの多様に

変化する世界との間に衝突が起るのだ



自然の美しさのある種のものは 大きさがなければ 絵画に翻訳することができない




 

田園交響楽1916-1920年 ボナール

田園交響楽1916-1920年



大地は 海よりも美しい

海は巨大だが しかし大地はつきることがない

少なくとも画家にとっては



色彩は デッサンよりも道理にかなったものだ



抽象とは 独自の出発である



カンネの眺め1920年 ボナール

カンネの眺め1920年



帽子屋としての判断が 帽子屋のつくった帽子を評価する



木馬にまたがるのはいいとしても

それがペガサス(天馬)だなどと思ってはならない



青い裸婦1924年 ボナール

青い裸婦1924年



女性の魅力は 画家に 彼の芸術に関して

多くのものごとをあきらかにしてくれる



辛抱強くあらねばならない

待つことをおほえなければならない

潮どきに感動がわきおこってくる



サーカスの馬1946年 ボナール

サーカスの馬1946年



固有色に用心すること



ことのほか 用いる材料を尊重すること

才能とは まさしく これらの材料をもっともよく用いるすべを知っていることではないだろうか



果物1935年ごろ ボナール

果物1935年ごろ



色彩が私をひきつけた

私は ほとんど無意識的に 色彩のために形態を犠牲にした

だが 形態は存在し それを勝手に無制限に省略し

変形することはできないことも たしかなことである


それ故  
私が研究しなければならないのは

デッサンなのだ


私は絶えずデッサンをする

そうしてデッサンの後に 均衡のとれた構図がくる

よく構成された作品なら すでに半ばでき上がっているのだ



ボナールの油彩画 白い猫

ネコ 1894年

 

如何でしたでしょうか? 
白い馬の絵は、彼の晩年に描かれた作品です。 何だか、ご本人に似ています(*^_^*)
生涯、自然や生命を愛された、画家自身の肖像なのかもしれませんね

最後までお読み下さいまして 有難うございました また機会を得て、図録や画家のご紹介が出来ればと思います

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