水彩色鉛筆の使い方、描き方 【ハガキサイズ・猫編】

ネコを描いてみますよ!!(=^・^=)

 

こんにちは! また寒さが戻って参りましたね (@_@;)   お正月休みも終わり、皆様 いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回は 作品の制作過程をご覧頂きながら、水彩色鉛筆の使い方描き方について、 順番にお伝えをして参りたいと思います。

 

現在、北野田絵画教室には、通信レッスンをご利用のご生徒様で、鉛筆デッサンに加え、水彩色鉛筆も始められた方がいらっしゃいます。
色々な画材にご興味を持たれますのは、本当に素晴らしい事ですね★ 私もとても嬉しく思っております(#^.^#)
(※ 水彩色鉛筆とは、水溶性の色鉛筆の事です。 色鉛筆で描いた後、筆で水を与えると水彩絵の具の様に描く事が出来ます)

水彩色鉛筆のお悩み解決の為には、お作品への添削レッスンに加え、
制作を進めていく順序過程作品が変化していく様子 も、合わせてご覧頂きました方が より分り易いと思いましたので
今回、こちらのブログに 『 水彩色鉛筆の使い方・描き方 』 を掲載をさせて頂く事に致しました
( 水彩色鉛筆による風景画 制作のご紹介は、こちら でご覧を頂けます。えんどう豆編は  こちら でご覧を頂けます。 )

そのご生徒さんはの絵を描いて下さっており、
『 毛並みの模様が水で流れて消えてしまいます。どうすれば上手く描けるのでしょうか? 』
とのご質問でございましたので、私も猫の絵で、制作を進める事に致しました。

先ずは完成作から ご覧下さいませ(*^_^*) 

 

額縁入り太郎

水彩色鉛筆画 『 座る太郎 』 (作品サイズ 15cm×10cm)

 

眠る太郎今回の私のモデルは、一昨年の冬から自宅ベランダに居候中の、永遠に懐いてくれない私の相棒、野良猫の太郎です!(=^・^=)

水彩色鉛筆にご興味のある方も、未だございません方も、ご一緒に絵が完成していく様子をお楽しみ頂けましたら幸いです。
作品の制作過程に続きまして、水の量や筆のご説明も記しました。
今回は かなり長い記事となってしまいましたが、一番最後には
動く画像 掲載させて頂きましたので、
是非一番下までご覧になって下さいませ
(#^^#)

 

それでは ご説明とともに、制作過程を ご覧下さいませ(*^_^*)

 


 

★ 先ずは、水彩色鉛筆画に使用する画材のご紹介からさせて頂きます。

 

今回、私が制作に使用致しましたのは、こちらでございます ↓↓↓  水彩色鉛筆以外は、特別な道具はございませんね(*^-^*)  

 

水彩色鉛筆画の画材    

 

 そして、今回使用致します用紙は、ニューブレダンと言う画用紙に致します。 紙の表面に凹凸が少ないので版画に好まれますが、水彩画にも適しています。

先ずは、葉書サイズのこの用紙に、HBの鉛筆で形を取ります。
(下描きには水彩色鉛筆を使用しても構いませんが、 水彩色鉛筆ですと後で水を加えた際に流れて消えてしまいますので、
初心者の方には鉛筆を使用される事をお奨め致します)  

 

 

水彩色鉛筆描き方1  

全体の形が取れましたので、今度は水彩色鉛筆で、それぞれに色を置いていきましょう。  

 

水彩色鉛筆描き方2  

影の部分、光の部分も意識しながら、色を分けて置いていきます(*^_^*)  

 

水彩色鉛筆描き方3  

背景には、自分の好みの色を加えました。
この後、水で色を広げていきますので、水彩色鉛筆の場合、密に着色していく必要はありません。
あまり気にしずぎ無い様に、大胆に どんどん色を置いていきましょう(*^_^*)
一通り色を置けましたら、次からは筆で画面に水を加えて、描いていく事に致します。

 

  水彩色鉛筆描き方4

 

先ずは、猫の体から水を加えました。
薄い色から、濃い色へと進めていきます。 ここで大切な事は、流れ作業をしない事です。
色が変わる箇所ごとに、きちんと、その都度筆を洗い、前の作業の色は落とします。
前の色を引きずったまま、次の箇所へと筆を進めますと、せっかく色分けしたものが、全て色が混じってしまい模様も無くなってしまいます。
毛の流れる方向を良く考えて、筆もその方向に動かします。
筆に水を含ませ過ぎると色が薄くなってしまいますので、水を含ませ過ぎない様に気を付けて、毛並みと模様を描いていきます。
(筆に水を含ませ過ぎてしまった場合は、タオルやティッシュペーパーなどで余分な水分を吸い取り、筆の水分量を調節しましょう)

そして、もう一つ大切な事は、色を塗る、と思わない事です。 
『 描く 』 と言う事を意識して、一筆一筆、描いていって下さい。
色を塗ると思って作業をしてしまうと、塗り絵になってしまいます。

身体を描きましたので、次は背景を描く事に致します。

 

水彩色鉛筆描き方5  

水を加えましたら、背景のブルーが、自分が考えていた色合いよりも薄いブルーになってしまいました‥。 もう少し濃くしたいと思います。
加えた水が乾くのを待って、その後、背景にもう一度水彩色鉛筆で色を加える事に致します。
水彩色鉛筆でも、水で濡れた画面が乾けば、また色を描き足す事が出来ます(#^^#)  

 

水彩色鉛筆描き方6  

背景にもう一度ブルーを重ねて色を描き足し、床にも水を加えました。
瞳のハイライト(白い光の部分)は、水を含ませた細い筆先を使って、何度か擦る様にして色を取り除いて白色を表現しています。
水分が乾かないうちに、ティッシュで軽くトントンと抑えると、その部分の色を取り除く事が出来ます。 着いてしまった色を、筆を使い洗い流す様な感じです。 
イメージとしては、お洋服の染み抜き作業の様な感じですね(#^.^#)
はみ出してしまった部分や、間違って着色してしまった時の修正にも有効な手段ですので、是非覚えていて下さい

水彩画の場合、白の表現は、主に紙そのものの色を利用します。 
( 強い光を表現したい場合は、水彩絵の具やガッシュ、パステルを使います )

背景は描き足した事で面白い効果が出ているのでこのままでも良いのですが、主役の猫よりも目立ってしまっていますので、
再度水を加えて背景のブルー全体を落ち着かせたいと思います。

瞳の真ん中の黒色は、水彩色鉛筆の黒色を使い、描き足しました。
ここにはもう水は含ませず、このままに致します。
ヒゲは鉛筆で描き、さらに こちらも水彩色鉛筆の白色で描き足しました。
同じくここにも水は加えず、このままに致します。 (両方とも、はっきりとした描写表現にしたい為、水は加えません)  

 

水彩色鉛筆描き方7  

床の赤色が単色で少し物足りない感じが致しましたので、乾いた後に、少し水彩色鉛筆の黄色を上に薄く重ねて色を加えました。
この黄色を足した作業には、もう水は加えず、ここで終わりと致します。

そしてサインも加えまして‥、はい、完成でございます!(*^_^*)  

 


 

今回使用した筆もご紹介させて頂きたいと思います。 

細かい作業の部分には細い筆を、背景など広い部分には太い筆が適しています。
しかし、穂先の整った上質な筆であれば、太めのものでも1本あれば事が足ります。  

 

水彩色鉛筆描き方(筆)  

アクリルなどの化学合成繊維の筆も販売されていますが、太さを問わず、硬い筆は顔料の粒子を紙肌から掻き取ってしまいますので、私は使用をお奨めする事が出来ません。
硬い筆は紙肌を傷めるだけではなく、丁寧に置いた顔料の粒子を紙に沈着させられず、残念な事になってしまいます。
もし、水彩色鉛筆画や水彩画で 『 綺麗に描けない 』 とお悩みでしたら、是非、使われている筆を見直してみて下さい。
私のお奨めは、リス毛の筆と、コリンスキーの筆です。 
コリンスキーの筆は、少し高価ですので、細目の筆から試されてみるのが良いかもしれません(^_^;)
天然毛の筆は柔らかく、そしてコシも有り、紙肌を傷付ける事もありません。
そして、水の含みと離れも良いので、一度筆に水を含ませると長く描き続けられる為、作業も捗ります。
どんなに時代が進んでも、やはり天然毛の筆は素晴らしい仕事をしてくれます  

続きまして、水の量、筆の使い方だけで、色味や絵肌の表情が変わる様子をご覧下さいませ(#^.^#)

一枚の紙に、水彩色鉛筆の色を同じように4箇所置きました。 紫味の紺色と、緑味の青色の2色を重ねています。

 

  青1  

ここに、それぞれ筆で水を与えてみますと、以下の様に変化致します(#^.^#)

 

水彩色鉛筆 水の量の変化  

 

  1. 【左上】 水の量が適量だった為、色鉛筆の色の粒子が心地良く広がっています。 筆跡も残りません。
  2. 【右上】 ①と同じように水を与えた後、一旦筆洗で筆を洗います。 そして未だ濡れている状態のところに、もう一度改めて水を加えました。
    この様な作業を何度か繰り返すと、色を薄める事が出来ます。 色が濃過ぎてしまった!と言う時に、濃さの調節に有効な手法です。
  3. 【左下】 色鉛筆の色の粒子を広げる為には足りない水分量です。 水が少ないと、この様に色が広がらず、色も濃く出て筆跡が残ります。
    これは失敗ではなく、この様な描写表現を求める場合には、有効な描写方法になります。
  4. 【右下】 ③よりもさらに水の量が少ないと、この様な絵肌になります。
    色鉛筆の描き跡が残って見えていますね。 水彩画の趣きと、色鉛筆の趣きが共存していて、面白い表現になります。

 

青3

 

  続いてもう一つ、水と筆の使い方による表現の違いをご覧下さいませ。

 

グラデ1  

上段、下段とも、同じ様に水彩色鉛筆でいろんな色を置きました。 ここに水を与えてみますと、それぞれ、以下の様になりました。

 

グラデ2  

【上段】 こちらは、1色に水を与える度に、筆を丁寧に洗浄して前の作業の色を落します。 そして、次の色へと同じ作業を進めていきます。
この様に、1つ1つに綺麗な透明な水を与える事で、お互いの色が混ざらず、単独の純粋な色表現が可能になります。

【下段】 こちらは右端から左端まで筆を一度も筆を洗浄する事無く、一気に筆を走らせました。 上段の作例とは異なり、全ての色が混ざっています。

 

グラデ3  

色鉛筆の段階では同じでも、その後に使う水や筆の使い方によって、こんなにも色の濃さや色合い、趣きが変わります。  面白いですね(^_^)  

 

それでは、最後に‥‥。 初めにご案内を致しました通り、動く画像で もう一度制作過程をご紹介させて頂きます‥!(*‘∀‘)

 

 

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本日は長い記事を最後までお付き合い下さいまして、誠に有難うございました!(#^.^#) 少しでもあなたのご参考になりましたら幸いです☆ミ☆ミ

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