【通信レッスン】 チグサさんの鉛筆デッサン vol.2 (2点)

添削レッスンのご紹介

 

こんにちは! ここ最近になって、こちら堺市は漸く、梅雨らしいお天気が続いております。
皆様のお住いの地域のお天気は、如何でしょうか?☔☀☁

さて、今回は…。 
只今、通信レッスンをご利用下さっておりますご生徒様のお作品と、その添削内容をご紹介させて頂きたいと思います!
少し長い記事となりましたが、一番最後には、動く画像も掲載させて頂きましたので、
こちらもご参考に ご覧頂けましたら幸いでございます。


今回ご紹介させて頂きますお方は、以前に1度ご登場を頂きました チグサさん(20代女性)でございます(^_^)

チグサさんはお仕事をされながら、ご自宅で制作をして、お作品をご提出下さっています。
今回もまた、チグサさんのご厚意により、こちらでの お作品と添削内容のご紹介が叶いました。
『 私と同じ様に、デッサンのお勉強をされている方の何かご参考になれましたら光栄です 』 と、ご快諾を下さいました。
チグサさん、本当に有難うございます!(^-^)

北野田絵画教室の通信レッスンでは、添削指導の他に 『 制作日記 』 という連絡用紙におきましても
ご質問、ご要望へのご回答などのレッスンも合わせて行っておりますが、
こちらの制作日記につきましては、今回はご紹介を差し控えさせて頂きます。

 

それでは、先ずは 制作の元となりましたモチーフ(モデル)のお写真 からどうぞ
( 当教室の通信レッスンでは、作品と共に モチーフのお写真もお送り頂き、添削の際のご参考にさせて頂いております。 )

 

 

ちぐささんスティッチデッサン添削1

 

1作品目は、ウォルト・ディズニーのキャラクター 『 スティッチ 』 の縫いぐるみと、スプレー缶をモチーフに選ばれました(^-^)

以前に掲載させて頂きました 『 鉛筆デッサンの描き方(ドラえもんの縫いぐるみ編) 』 のご記事をご覧になられ、
チグサさんご自身も 縫いぐるみを描いてみたいと思って下さり、今回、縫いぐるみのデッサンにチャレンジしてみました との事でございました。
嬉しい限りでございます( *´。`)

 

ちぐささんスティッチデッサン添削2

 

こちらが チグサさんがご提出下さいましたデッサン作品でございます。
ご自身のご感想は、 『 スティッチらしく描くのが難しかったです』、 『 でも、とても楽しかったです 』 との事でございました(^_^)
そのお話の通り、とても愛情深く描かれているご様子が、デッサンから良く伝わって参りますね。
繊細に、大切に描かれています。

このデッサンをさらに良くする為には、何処に、どの様に手を加えたら良いのでしょうか?
それでは、ご一緒に見て参りましょう。

 

ちぐささんスティッチデッサン添削3

 

ご覧頂きましたご提出作品は、1つの絵画作品としては、もう十分に素晴らしいものです。
しかし今は、デッサンのお勉強をしておりますので、
物体の形と質感、存在、陰影、置かれている空間を正しく捉え、それらを紙の上に正確に描写する事に徹します。
デッサンのお勉強は、デフォルメ ( 変形や誇張 ) を加えた創作絵画の制作と混同してはいけません。
在るがままの姿を正しく捉え、それを正しく描き出します。

デッサンのレッスンでは、常にその目線で、添削をさせて頂きます。

描かれた縫いぐるみの顔の大きさを基準にして、周囲を見て参りましょう。

縫いぐるみの顔の大きさに対する 胴体とスプレー缶の対比関係が正しく有りませんので、
添削シートに、目安となる位置を描き込ませて頂きました。
デッサンの方のスティッチは、実際よりも胴体が縦長の形になっていて、背が高くなっています。
この胴体を、赤い線で描いた形に致しますと、実際と同じくらいの体つきになってくれます(#^-^#)

スプレー缶の高さやボリュームも、縫いぐるみとの対比を確認しながら、もう一度、見直してみましょう。

床に描いた影の色が、必要以上に濃くなっています。
この為、影の方が主役である 縫いぐるみとスプレー缶よりも存在が前に出てしまい、
モチーフの置かれている空間の奥行きが感じづらくなっています。
このお作品で、空気感や奥行きを表現する為には、床の影の色を調節します。
床の影の色を薄くすれば、主役を引き立てる存在へと変わってくれますので、もう少し薄く致しましょう★ 
床の影は、物体から遠ざかるほど 自然に消えていくイメージを持って、描いていきます。
( 添削シート上に修正を施したの影を確認しやすい様に、シートの裏側には白い紙を置いてあります。 
床の影の描き方を変える事だけで、作品全体の空気感がとても変化致します。

その他の添削内容は、添削シートの文字にて ご確認下さいませ m(_ _)m

 


 

 

続きまして、デッサン2作品目のご紹介でございます☆ミ

 

 

ちぐささんメガネケースのデッサン0

 

さらに、難しいモチーフにご挑戦下さいました!(^。^
チグサさんは制作毎にステップアップをされ、物体の構造が複雑なものを積極的にモチーフとして選んで下さっております。
そして、このお写真でもお分かり頂けます様に、布とプラスチックなど、素材の違う物同士を組合わせておられます。
異素材の物体の組み合わせは、質感の描き分けの良いお勉強になりますので、これはとても素晴らしい事でございます

 

 

ちぐささんメガネケースのデッサン1

 

こちらが、ご提出下さいましたデッサン作品でございます。
チグサさんから、 『 全体が、何だかはっきりとしない印象になってしまいました。これを解決する為には、どうしたら良いでしょうか? 』 とのご質問を頂きました。

それでは、こちらのお作品も、ご一緒に見て参りましょう。 

 

 

ちぐささんメガネケースのデッサン2

 

先ずは、全体の印象がはっきりとしない、不鮮明なデッサンになってしまっている原因 からご説明させて頂きます。

 

1つ目の大きな原因は、 描くべき形(線)を、きちんと描いていない為です。
これが顕著に見て取れる箇所は、布の天から床に掛けて流れる形、縦方向の線です。
物体の形を陰影で表現しようとするあまり、必要な線が遠慮されて描かれていない、私には その様に感じました。

そして、2つ目の原因は、影の色の描き方と、作り方です。
作品全体が、ほとんど横向きの線だけで表現されています。
描かれている、と言うよりも、塗られている、と言った印象を強く受けます。
この事により、奥行きや変化の無い、平面的な画面になってしまっているのです。

メガネケースの内側が、ベッタリと一面 同じ調子で濃く塗られています。
物体は面の集合体として捉えます。
メガネケースの内側は、なだらかではありますが、段差が出来て、面が沢山存在しています。
これらの微妙な変化をきちんと捉え、陰影を正しく表現すれば、立体的な描写へと変わってくれます

メガネケースや、その他の物体の形、布や床の影の作り方を、修正致したいと思います。
次にご紹介する画像は、チグサさんが描かれたデッサンをモノクロ印刷して、そこに私が加筆・修正したデッサンになります。
 当教室では ご生徒様からのご指定が無い限り、ご提出頂きましたお作品原画には、基本的に直接手を入れない様に致しております。

ご参考に ご覧下さいませ(^-^)☆彡

 

ちぐささんメガネケースのデッサン3

 

布の折り目がきちんと分る様に、不足していた線は補い、形については、メガネケースの輪郭、メガネケース下の布の縁の角度を修正致しました。
そして、陰影の足りていない部分には加筆し、影の色が濃くなり過ぎている部分は薄くして、全体の陰影表現の調節も致しました。

影の色が濃くなり過ぎている箇所は、メガネケースの下、布の下(床)でした。
メガネケースの下は特に濃くなり過ぎて、物体と影との区別が付かない程になっておりました。
ご提出のお写真を拝見致しますと、物体の下の影は強く表れていて、どちらも黒っぽくは見えていますが、
これを描く時には、表現する色を自分で検討し、調節して表現しなければなりません。
メガネケースはプラスチック製の物体、影は空気です。 性質も違えば、そのものが持つ色相(色合い)も違います。
ですから、表現する色合いは、1つ1つ変えていく様に心掛けて下さい。

描く技術を身に付ける事と同時に、対象物を見る目、捉える目も 養って参りましょう (^_^)

 

それでは、お待たせ致しました。  最後に、お約束の動く画像をどうぞ…!m(_ _)m

 

 

  • ちぐささんメガネケースのデッサン1

 

チグサさん、今回もご協力を頂きまして、有難うございましたm(_ _)m
そして、本日は 長い記事を最後までお付き合い下さり、有難うございました

あなたのご参考になりましたら幸いです(^-^)☆ミ

 

コメントは受け付けていません。